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あつおくんとの2年間 [日記]

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あつ屋も気に入ってくれたあつおくん。


狭いわが家の中にはたくさんの思い出があふれています。




あつおくんてば~カミングアウト2

あつおくんは、横浜の某有名公園で保護された捨て猫です。


もう1つの黒猫さんとわが家に来たルナ君の3つが動物病院に保護されていたんですね。

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あつおくんとルナくん、奥さんの家に来たばかりの頃です。


そこへ、たまたま家猫の診察に訪れてたワタクシとワタクシの母が引き取って飼うことになったんです。


でもワタクシの実家には、すでに15頭もにゃんこがおりまして、当時ワタクシが交際していた女性(今の奥さん)が黒猫を欲しがっていたこともありあつおくんとルナくんを引き取ってもらったんです。


残る1つはアッツと名づけてワタクシの実家で暮らしていましたが、交通事故で早逝しています。


ワタクシが奥さんと一緒になったのはその1年後ですから、実質ワタクシがあつおくんと暮らしたのは19年とちょっとになるわけです。


あつおくんは、人に媚びない甘えない、でも人は使うという本当に猫らしい猫でした。

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奥さん曰く、かなりやんちゃだったそうです。


気が良くて優しくて、怒ったとこなんか見たことありません。


生まれつき後ろ足が弱くてドン臭かったです。

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この写真だけでもドン臭いのわかっちゃいますね。


ワタクシ達夫婦と同じ数だけ引っ越しを経験して、同じ体験をしてきました。


伊豆の群発地震、東日本大震災、怖い思いもいっぱいしました。


でも、病院に掛かることもなくず~っと、健康優良児できたあつおくんが入院したのは16歳のことでしたかね。


原因不明の腸の病気に罹って死の淵をさまよったんですが、その時はその後ずっとあつおくんの主治医を勤めてくれた先生に救われました。


それからしばらくして、年齢とともに腎臓の数値が悪化してきましたが、まだまだ元気な日が続きます。


異変を感じたのはあつおくんが18歳の時でした。


異常な食欲でおかしいと思いネットで検索してみると甲状腺機能亢進症という病が……病院で検査をしてもらったところはたしてそのとおりでした。


この病気の厄介なところは甲状腺の働きが活発になることで腎臓の数値が若干改善されてしまうということがあるらしいんです。


その当時、あつおくんの腎臓はかなり悪化していて正直、先生はもって数ヶ月ではないかと思ったそうです。


甲状腺の病気を抑えれば食欲はおさまりますが、腎臓が悪化します。


甲状腺を放置すれば、腎臓は小康状態を保ちますが、異様にお腹が空いて心臓にも負担がかかります。


そこで、ワタクシ達夫婦が話し合って出した結論はあつおくんに最後まで美味しいものをたくさん食べて悔いのない人生を送ってもらおうというものでした。


担当の先生もこの先の余命を考えたら、あまり栄養のことなど考えずに好きなものを与えてあげるのもいいかもしれません、とおっしゃっていました。


甲状腺を抑える薬は最低限にして、とにかくお腹が空いたら好物のゴハンをあげて、お気に入りの場所で寝てもらう、それがワタクシ達夫婦の出したあつおくんの治療法だったんです。


甲状腺機能亢進症のおかげで、あつおくんは1時間半に1回ゴハンを要求します。


若いころは、ドライフードしか食べなかったあつおくんですが、晩年はウエットフードが大好物に、それも嗜好がちょこちょこ変わるため「あれ、キライ、これ、いやだ」とわがままになりがちです。


しばらくの間、夫婦で睡眠時間を調整したりしてごまかしていましたが、とても間に合わなくなってきました。


そこで、ワタクシ達がとった行動は、転職です。


奥さんは、フルタイムから時間の短い早朝パートへ、ワタクシは勤めていた会社を辞め在宅勤務することに……。


はっきり言ってバカだと思います。


にゃんこの介護のために収入は1/4になり、わずかばかりの退職金も社会保険も棒に振るんですから。

 
ブログ上では、勤め人みたいな感じで記事を書いていましたがスミマセン、ウソでした。 


でも、後悔はしたくなかったんです。


ワタクシ達が一緒に暮らしてきたにゃんこは皆、長寿に恵まれましたがその最期というのはあまり納得いくものではありませんでした。


ワタクシの仕事が人一倍忙しいということもあったんですが、マリンちゃんにもルナくんにも死に目は会えませんでした。


それどころか、マリンちゃんが腎臓病でおしめをするようになった時、出勤前のワタクシの膝の上に乗ろうとしたのを遮ったことさえあるんですね。


それがもう悔やまれて悔やまれて……にゃんこの時間は人間の4倍……その事を強く思うようになったのはルナくんが逝った後でした。


最初、奥さんにその提案をした時は当然反対されるものと思っていたんですが、逆にそうして欲しいと考えていたと言われた時は正直驚きました。


死んだ後、お金を残したってしょうがないですし、夫婦二人で食べていくだけだったらどんなことをしたってなんとかなるでしょう。


たった数ヶ月……そう、その時はあつおくんに残された数ヶ月を悔いのないように過ごさせてあげたいと思ったわけです……ま、それから2年近くも元気に生きてくれちゃったんですけどね。


その後の2年間は、まさにあつおくん中心の人生でした。


夜はワタクシが担当、パートから奥さんが帰って来たら交代して仮眠、外出はタイムリミット90分、ロイヤルカナンのウエットと無塩鮭を焼いたものは常にストック、その他に食欲が落ちてきた時用の味変のキャットフード。


あつおくんが少しでも居心地がいいようにと、自作キャットタワー、あっくんホイホイ、あつ屋と工作を続けたのもこの時期でした。

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あっくんホイホイでくつろぐあつおくん。


とにかく、思い残すことがないように、それはあつおくんに対してもそうでしたが、ワタクシ自身にも言えることだったんです。


あつおくん用のお皿を1日、何十回洗ったことか、わがままモードに入った時はキャットフードを何袋無駄にしたことか……。


歯周病が進んでからは、人間の手から吊るし食いをするようにもなり、必然的に人間の食べ物にも興味を持ち始めました。


あつおくん用に調味料を付けずオリーブオイルで揚げた鶏の唐揚げの中身を裂いて、歯に当たらないように吊るして食べさせてあげます。


生姜焼きの時も、麺つゆの素を薄く伸ばしたもので味を付け、細かくさいて、あ~んってなもんです。


結構、食べてくれるんですよね。


人間は、外の衣ばっかりです……外も出歩かず、そりゃ体重も増えますって。


あつおくんの担当医は正直、こんなに生きると思わなかったとおっしゃっていました。


それでも、それでもですよ。


悔いがなかったかと言えばそんなことは無いんです。


もっと、生きていて欲しかった。


もっと、世話を焼かせて欲しかったって思うわけです。


もう、後悔だらけですよ!


あれもしてあげたかった、これもしてあげたかった……いや、きりがないのはわかっているんですけどね。


奥さんと二人で今、よく話すことは、寝ていても誰も起こしてくれないね……、お皿を全然洗わなくなったよ……なにもすることがなくなっちゃったねってことです。

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あつおくん、ワタクシの工作の中ではあつ屋よりもあっくんホイホイの方が好きだったのかも。


ワタクシ、このブログの記事でよく書いている「今、この瞬間を悔いのないように」、「にゃんこの時間は人間の4倍の長さで流れている」、こういった言葉は全て自分に対して言っていたことだったんです。

でも、少なくともこの2年間はあつおくんと一緒の時間の中に生きていられたと思います。


ワタクシが取った行動は、世間一般から見れば絶対間違いだと思います。


でも、ワタクシ自身は後悔していませんし、これが自分の取るべき道だったんだって思っています。


この2年間、外食といえば近所の回転寿司でダッシュで食べて帰るだけが精一杯……平均睡眠時間は4時間……食費はあつおくん>人間>他のにゃんこ……。


それでも、本当に忘れられない楽しい2年間でした。


手のかかる子ほど可愛いといいますけど、本当ですね。


欲を言えばもっともっと手を掛けてくれて、ずっと困らせて欲しかったですけど。


みなさんのおかげであつおくんも無事、天国に行けたことと思います。


今日も遺影の前に人間のおかずを一品備えて手を合わせました。


食いしん坊のあつおくんですからね。


明日は、そんなあつおくんがワタクシ達に残していってくれたものについて記事を書かせてもらって、あつおくんについては一旦終了しようと思っています。


本日もご訪問ありがとうございました。


まだ、コメント返信できていない方もいらっしゃるとおもいますが、もう少しお待ち下さいね。


それではみなさま、おやすみなさいませ。

 


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タグ:あつお
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コメント 21

ゆうのすけ

いえいえ後悔するくらいならやりたいことをやるって
私も同感なのです。過去のことは後悔ばかり 今でもあの頃こうしていたら人生は違っていたかも。。。と思っても始まらないし 世間様から見たらやはり私も はぐれ者ですよ!^^でも そうであっても良いと思えるようになったのは いろんな迷いを抱えてブログを始めた6年前の今頃。でもその後すぐ パニック障害でもしかしたら。。。このままって思うくらい怖い思いをしました。そこで (まだ振り切れていないことも多々あって 思い出しては ため息ってこともありますが)生活は苦しいかも、この先どうなるか迷うこともあるかもしれない でも後悔しない生き方があっても良いんじゃないかと思ったのが 今に繋がっているんですね。どう言う生き方が正しいって人が決めることではないですものね。^^だから 人様に御迷惑をかけない人としてやってはいけないことの最低限のことを基準にすれば 私はスタイルなんて人の数だけあると思うんです。これからどんな時代になるか判りませんが 心だけは汚したくないと思うのです。^^(また長くなっちゃってごめんなさい。☆)
by ゆうのすけ (2016-03-03 04:58) 

りみこ

その時その時が、私は最善であると思います。
のちになって考えれば、勿論他の選択肢が見えてくるでしょうが、それはそれ、なのだと思いますよ。だって、のちのことですから。
あつおくんは当然のこと、mitsuyaさんも奥さまも幸せな時間を過ごしていらしたのですよね(^-^)
一緒に長くても短くてもニャンズと暮らすと人は幸せになれます。
あつおくんはmitsuyaさんご夫婦の思いに応えての長生きだったのだと思えますね。
それ自体があつおくんの感謝であったのかもしれないと思いました。
最後まで看取らせてもらえるのは本当にご褒美みたいですね

by りみこ (2016-03-03 06:13) 

green_blue_sky

猫のために思った行動は結果がどうであれ、猫たちに思いが通じます。
いろいろとあるのはだれしもです。
みんな長生きをして、天国に行ったのですから、猫にとっては大往生です。
反省は猫に失礼ですよ(^_^;)
ってこれはだれかの言葉の引用です。。。
by green_blue_sky (2016-03-03 06:31) 

ぽちの輔

宣告された余命より長く生きられたのは
mitsuyaさんご夫婦の愛情があったからでしょう。
これからはその愛情を残ったニャンコ達に^^
by ぽちの輔 (2016-03-03 06:53) 

terrybear

あつおくんホントに愛されたニャン生だったのね
どんなにしても悔いは残ると思います
あの時ああしていればあの時もっと食べさせてあげとけばどんどんそんな思いがわいてくるんですよね
でもでもあつおくんはきっと感謝していますよ
他のニャンコちゃんのためにもご夫婦でお元気になって楽しくお過ごしくださいね
by terrybear (2016-03-03 07:02) 

みぃにゃん

これだけあつおくんの為に生活スタイルかえられていたんですね。
それでも後悔は絶対ありますよ!もっと生きてほしかったっておもいますよね。1時間30分でも長くって・・・。
動物の運命って本当に飼う人で変わりますね。他人からみればペットの為にって思われるかもしれませんが価値観は人によって違いますからね。私も他人からみたら馬鹿といわれるタイプですが・・・。
それでも後悔したくないですね!
by みぃにゃん (2016-03-03 07:37) 

デルフィー

お二人の愛情をしっかり受け取ったから
余命より長く生きられたし、
最後まであつおくんらしく生きられたんですね^^
by デルフィー (2016-03-03 07:41) 

そらまめ

お二人の思いにが下がります。
なかなか出来ないことを実行され
あつおくんはほんとに幸せものだったんだな~って
思いますよ。
その愛情で長生きできたんだもん。
mitsuyaさん、ほんとにお疲れ様でした。
by そらまめ (2016-03-03 08:40) 

そらママ

あつおくん…家族…それ以上だったのですね…
幸せだったあつおくん、愛情いっぱいでしたね♪
ときどきあつおくんの思い出話も、また載せて下さいね☆
思い出してもお辛く無くなった時に…
by そらママ (2016-03-03 09:08) 

mayu

どうしても悔いは残ってしまいますね。もっとあれやこれや、してあげればよかったと。でも、あつお君は幸せだったと思います。
by mayu (2016-03-03 11:21) 

ニッキー

どんなに考え抜いても後悔しちゃいますよね。
でもそうやって常に「あつおくんが一番!」って想いは絶対にあつおくんに
届いてて、だからこそあつおくんもmituyaさん夫婦の愛情に応えようと頑張ってくれたんだと思います。
あつおくんは本当に幸せにゃんこさんですね。
by ニッキー (2016-03-03 12:46) 

ゆきち

「なにもすることがなくなったね」と自宅で5年寝たきりだった父を見送った後、母と二人食卓に向き合って呆然と何時間も座っていたことを思い出しました。
やれることは全部やったつもりでも、何かしらの悔いは残りましたね・・・。
空いた時間を活用できるようになるには、少しかかるかもしれません^^;
あつおくん、やっぱり日本一、世界一、宇宙一愛された幸せな猫さんです。


by ゆきち (2016-03-03 12:46) 

ミケシマ

いまはとても辛い時期だと思います。
わたしは、幼いころ大好きだった兄を亡くし、最愛の長男を亡くした両親を見てきました。
また、3年前に父を病気で亡くしました。
何をどれだけやっても、いくら手を尽くしても、残された者の中には
「ああしてあげればよかった」「もっとこうしてあげたかった」という後悔があります。
だから、mitsuyaさんの今のお気持ちは痛いほどよくわかります。
そして大事な存在を失った残された者ができることは
彼らを忘れないこと、たくさん思い出を語ってあげること だと思います。
どんなに切ない記事になってもいいので、どうかたくさんあつおくんの思い出を語ってください。
by ミケシマ (2016-03-03 14:25) 

リュカ

わたしも先代猫の晩年は
正社員をやめてアルバイト生活になりました。
その子が若くて元気だったころは、私も毎日終電近くで。
一緒に過ごせない時間が多かったから
晩年は絶対に寂しい思いさせたくないって思って
正社員には戻らずバイトのままでした。
でもそのおかげで看取れた。これで良かったんだって思ってます。
by リュカ (2016-03-03 16:34) 

JUNJUN

あつおくん、横浜出身だったんですね。
小さいころ、お目目がくりくりでかわいいこと♪
わが子同然のネコさんと、少しでも長く過ごしたいお気持ち、わかります。
そのために後悔のない選択ができて、よかったと思いますよ。
by JUNJUN (2016-03-03 19:36) 

フヂ

わっ、あつおくんとルナくんちっちゃい♪
当たり前ですが、こういう小さい頃もあって
大人とはまた違った可愛さですね(*´ω`*)
にゃんこを飼ったことがない私が言うのも
おこがましい…とコメントの度に思いつつも
書いてしまうのですが、たくさん思い出を
語ってほしいな~と思っています。
by フヂ (2016-03-03 20:01) 

sumi-cyan

あつおくんもるなくんも小さくて可愛いですーヽ(*´∀`)ノ
でも、すごく幸せなにゃんこ達です^^
私も、そんな状況だったら同じ事やると思います!!!

by sumi-cyan (2016-03-03 20:18) 

溺愛猫的女人

こんばんは

mitsuyaさまと奥さまの手厚い介護のおかげで、あつおくんは2年の間、病に負けず日々を重ねられたと思います。

あつ屋で寛ぐあつおくん、あっくんホイホイの中で楽しそうなあつおくん、mitsuyaさまの愛情が込められた工作を、どんなにかあつおくんは喜んでいたのだろうと思い出されます。
お疲れさまでした。

by 溺愛猫的女人 (2016-03-03 21:01) 

yes_hama

そこまで出来るなんて素晴しいと思います。
あつおくん、きっと幸せな猫生だったことでしょう。
by yes_hama (2016-03-03 21:10) 

藤並 海

mitsuyaさんと奥様にとって
あつおくんはかけがえのない家族
出来ることはすべてしてあげたいと思うのは
当たり前のことだったのだと思います

やらないでする後悔ほど情けないものはないですから
お仕事を転職してでも美味しいものを食べさせてあげたいと
実行されたお二人に頭が下がる思いです
by 藤並 海 (2016-03-03 21:56) 

mamefuku

私も犬の世話をちゃんと出来ないのが嫌でアルバイトしかできません。
収入は少ないけれど、そうしなければ後悔すると思うから。
けれど、mitsuyaさんの正社員をやめるという決断は
私なんかより勇気が必要なものだったというのはわかります。
そして、それはあつお君にとって
どれほどうれしいものだったろうと思います。
あつお君がしゃべれたら、きっとありがとうって言ってると思います(^^)

by mamefuku (2016-03-05 15:36) 

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