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たぬきに化かされる。 [不思議な話]

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以前、ピュアクリスタルを購入した時のブログで、ご訪問いただいたブロガーさんから、うちのたなみちゃんも、そのうち直接水を飲むようになるんでは、と、ご指摘を頂きました。

その方の予想が見事当たりまして、最近では、ポットから直接水を飲んでくれちゃっています(;_;)

怪奇とロマンあふれる良き時代

本来、水にぬれるのを嫌がるというのが、にゃんずのもっぱらの性格ですよね。

中には、たなみちゃんのように水を怖がらないにゃんこもいるようですが、総じてにゃんずは水がキライなようです。

同様に、野生動物の多くは人そのものを怖がります。

里に降りてきて悪さをするのは、山に食べ物がなくなったからやむを得ずということなんでしょう。

おっと、話が猟友会の方へ行きそうなので軌道修正……。


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今日は、本来なら昨日のたなみちゃんのお手伝いぶりについてお話する予定だったんですが、何事も予定通りいかないワタクシの事、あっさりと予定を変更して母から聞いた不思議な話をひとつ……。

ワタクシ、大の怖がりが高じて、不思議な話や奇譚の類が載った本を読みあさっていた時期があったんですが、何の事はない一番不思議な話を聞かせてくれたのが母でした。

もう、とうに鬼籍に入っているワタクシの母なんですが、動物好きを絵に描いたような人で、以前、このブログでもお伝えしました通り、小学校時代、すでに牛を拾ってきて飼うというツワモノでした。


まあ、詳しい住所は伏せますが、戦争を経験している母は子供の頃、荒川のほとりのある村に疎開しておりました。

件の牛を保護?したのも、その村でのことらしいです( ̄ー ̄)


大正時代には、ガスも電気も一般に普及し始め、関東大震災を境に、さらに近代化への道を加速させた日本ですが、戦争という悲惨な出来事によって、人々の暮らしは一気に後退したそうです。


軍国主義の教育は、たしかに間違ったものであることは間違いありませんが、年長者を敬え、父母を大切にしろ、弱者を守れ、等といった人間として基本的な道徳心を、厳しく教わった当時の子供達が、ともすれば文明開化によってタガが緩み始めた日本人のモラルを再構築したのかもしれません。

話は横道にそれますが、江戸時代、日本を訪れた外国の宣教師たちは、日本の子どもたちの礼儀の良さに舌を巻いたそうです。

私欲を肥やしていた、悪代官や大黒屋はともかく、当時の日本の子どもたちにはキリストの教えすら必要なかったのかもしれません。


さて、お話を昭和19年の埼玉県に戻しましょう。

戦局は、徐々に悪化し始めこの年の終わりには、B-29による東京空襲も開始されます。

疎開先では、農作物や川魚など自給自足が当たり前になっていましたから、食べるものに関しては、コメ以外は比較的、普通に手に入ったようです。

その村では、電気も通っていませんで、月も出てない夜の闇というのは本当に暗かったそうです。

鼻を抓まれても分からない、とはよく言いますが、まさしくそんな感じだったのでしょう。

当時、町や村には駐在さん(住みこみの警察官)がいらして、治安を一手に引き受けていたそうですが、母が疎開していた村には、初老の駐在さんがいらっしゃったそうです。

さて、駐在さんのお仕事に見回りというのがあるのだそうです。

今でも、スーパーやコンビニ等に警察官立ち寄り所なんて看板を見かけますが、当時は、村の住民の家を一軒一軒回っていたみたいですね。

で、ある時、何か用事でもあったのでしょうか、母もそのことについては記憶に無いと言っていましたが、ずいぶんと遅くなってから駐在さんが母の疎開先の家にやってきたそうです。

いつものように、たわいもない話をして、すぐに駐在さんは帰っていったそうですが、しばらくすると、また玄関を叩く音がします。

母は、その時刻にはもう床に下がっていたので何を話しているのかまでは分からなかったそうですが、たしかにその声は駐在さんのものだったそうです。

それが、15分か20分おきに、2度、3度と繰り返されるのです。

扉を叩く音、祖父が引き戸を開ける音、くぐもった駐在さんの声、引き戸を閉める音、そして静寂。

それが、何度も何度も繰り返され、中々寝付くことが出来なかったそうです。

一緒に疎開していた母の姉妹たちも、ただならぬ雰囲気に皆、布団を寄せて息を殺していたそうです。

5回、6回と駐在さんは繰り返し家の戸を叩いてやって来ましたが、そのうち静かな時間が長くなり、まだ幼かった母は、やがて眠ってしまったそうです。

次に、母が目を覚ましたのは、音ではなく異様な臭気だったそうです。

俗にいう「田舎の香水」、そう肥の臭いです。


当時、田舎ではほとんどがくみ取り式であり、農村部には肥溜めというものがありましたから、それほど珍しい香りではなかったといいますが、寝所において突然そのような臭いがすることは無く、母もびっくりしたのでしょう。

続いて、家の中が蜂の巣をつついたような騒ぎとなり、母も姉妹と一緒に玄関に行ってみたそうです、

すると、そこには土間の上に力なくへたり込んだ、肥まみれの駐在さんの姿が……。

母の母(ややこしい)が、急いで風呂を焚きます。

祖父は、たらいに水を汲んできて、駐在に顔を洗うように進めています。

何が何やら分からなかったそうですが、母の母にうながされ、その晩は姉妹を連れて隣の家に泊まったそうです。

翌日、話を聞いてみると、駐在さんはとっぷりと日が暮れたあとも、村の家々を巡回していたそうですが、最期の巡回先である母の家から、どうしても駐在所に帰ることが出来なかったそうです。

家から、駐在所まではたんぼのあぜ道を通って行くのだそうですが、一本道とは言わないまでも、それほど迷うようなものでもなかったそうです。

いくら、鼻を抓まれてもわからぬ闇夜とはいえ、通い慣れた道であり、高張り提灯一本あれば道を誤るとも思えません

しかし、どこをどう曲がっても、母の疎開先の家に戻ってしまう。

これは、狐か狸に化かされたと思い、肌身離さず身につけている天神様のお守りを握りしめて、口の中でお題目を唱えたそうです。

すると、やっと駐在所の灯りが見えてきた。


しかし、おかしい。

巡回に出発する時には、必ず火の始末をしてから出かけます。

灯りが見えるはずがありません。

それなのに、駐在所の障子には、ゆらゆらとランプの灯りが映っているのです。

用心深く側まで近づくと、中からは、焼き魚と芋の煮っころがしの匂いがしたそうです。

そーっと、引き戸を開けると、土間にしつらえた台所には、駐在の奥さんがいそいそと遅い夕餉の支度をしていたそうです。

駐在さんの目から涙がこぼれたそうです。

母は知らなかったのですが、駐在さんの奥さんは、もう何年も昔に亡くなっていたそうです。

駐在さんは、その時、これが狐かたぬきのイタズラに違いないと確信したそうです。

しかし、それならそれでいい、と思ったんだそうです。

たとえ、夢でも幻でも、死に別れた奥さんともう一度会って話ができるなら、そんな嬉しい事はないと考えたんですね。

勧められるままに、晩酌のぐい呑を傾け、肴をつまみ、いろいろなことを話したそうですが、奥さんは傍に座って笑っているだけだったそうです。

やがて、風呂が沸いたからといって、湯船に浸かり天井を見上げると星が見える。

なぜ、風呂場で星が?と考えたところで、自分が畑の傍らの肥溜めに服を着たまま浸かっていることに気がついたんだそうです。

すると、急に恐怖心が湧いてきて、一目散に逃げてきた先が母のところだったというのです。

 

大ヒットした三丁目の夕日にも似たようなお話がありましたが、当時、この手の話はポピュラーだったようですね。

母も、祖母も狐や狸が人を化かすことを当たり前のこととと捉えてました。

ですから、この事件があったときも、誰一人大騒ぎすることはなかったといいます。

大体、駐在さんとはいえ、警察官が神仏悪霊狐狸妖怪の類を信じてしまっているフシがありますもんね(^O^)

でも、たしかに、大正時代の新聞を調べてみると、桶川で狸が汽車に化けて本物の汽車と衝突し、死亡したなんて記事が大まじめに書かれているのも事実です。

これって、なんなんでしょうね?

ワタクシの世代では、口裂け女やコックリさんなどといったものを本当に存在するものだと信じた子供もいたでしょう。

しかし、大人は信じませんよね?明らかに都市伝説です。

しかし、狸の能力は当時、大人も子供も、警察官も信じていたんです。

やがて、夜の闇は闇でなくなり、CGがどんな不思議な現象も現実のごとく見せてくれる世の中になり、彼らの能力というのも失われてしまったのでしょうか。

それとも、ワタクシたちが、狸というのはイヌ科の哺乳類でーーなんて、夢もロマンもない教育を受けたせいで、狸も狐もただの動物になってしまったのでしょうか。

たしかに、現代は科学も医学も進歩し、安心安全に暮らすことができる世の中になりました。

わんず、にゃんずの対応するワクチンもドンドン増え、寿命も飛躍的に伸びています。

それは、なにより素晴らしいことだと思います。

でも、たまに、そんな暗闇が暗闇であったころ、心細い蝋燭の火で家族が肩を寄せあった時代に憧れてしまう自分もいるんですね。

枝垂れ柳の下に、何かが潜んでいる時代。

板塀に挟まれた路地の先が、どこか知らない世界ににつながっている時代。

狐や狸が、人を化かす時代。

あえて、古き良き時代とよばせていただきます(^O^)

 

でも、Youtubeがない世の中なんて……とも思うワタクシでした。

あ、肥溜めでおもいだしましたが、この肥溜め……まあ、肥を肥料として使うっていう発想ですね。

これってスゴイことなんですよね。

なにしろ、肥料として売買されていたわけですから。

同時代、ヨーロッパなんかでは汚物はお皿かなんかに出して窓から捨てていたそうで、家の側は歩けなかったそうです( ̄ー ̄)

あの、おフランスでさえアパルトマンの2階から、ぽんぽんと肥が飛んできたそうですから、日本て言うのは衛生的だったんですね(^O^)


ニッポンばんざ~い!

 

たなみちゃんも、なんか不思議なことやってくれないかな。

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いや、面白いことじゃなくて、不思議なこと……。

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ま、いっか(^O^)

たなみは、たなみのまんまが一番です(*´ェ`*)。

本日もさいごまでご覧くださいましてありがとうございますm(_ _)m

予定があくまで予定でしかなMITSUYAでございますが、これからもよろしくお願いします。


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コメント 17

藤並 海

僕も祖母や母から
誰かが狐に化かされたというような話を聞きいた覚えがあります

すっかり夜が明るくなって
遅くまでテレビ番組がある時代も良いんですが
夜は星明かり月明かりが照らしてくれる
静かな時間だったころも素敵だろうなって思います
by 藤並 海 (2015-03-05 02:12) 

isoshijimi

不思議なこともいいですが、でもまずは楽しいことから、ですね(笑)
by isoshijimi (2015-03-05 04:21) 

green_blue_sky

新鮮な水や新鮮な食事に手を出すでしょう(^_^;)
うちは新鮮な水を飲みたがります~
by green_blue_sky (2015-03-05 07:42) 

デルフィー

不思議なお話しですね~
昔は妖かしの類はホントに身近にあったんですね。
たなみちゃん、ポットから直接水を飲むようになっちゃいましたかw
by デルフィー (2015-03-05 08:03) 

すがめ

面白い話ですね!
化かされるって栄養状態が悪かったりして幻覚をみたり夢遊病っぽくなっているのでしょうか? …わかんなーい(>_<)
by すがめ (2015-03-05 09:03) 

komugi0421

日本昔話みたいな話でとっても不思議ですね!!
でもまさか自分が肥だめ風呂に入ってるなんて
思いもしなかったでしょうね。
by komugi0421 (2015-03-05 09:21) 

ちぃ

不思議なお話。。なんだか昔話に出てきそうな出来事ですね(/・ω・)/
水を眺めるたなみちゃん、かわいいです(*^-^*)
by ちぃ (2015-03-05 09:33) 

りみこ

不思議なお話ですねぇ~
うちもこれと同じ水飲みでございますw
お手手可愛いです!
by りみこ (2015-03-05 09:40) 

ojioji

納戸の蛍光灯の紐を探して暗闇を手でかき回すこと十数回、方向違いの押入れの襖に触って、癇癪を起こす、しょっちゅうやってます。猫を入れないように、すぐ入り口の戸を閉めるので真っ暗になるのです。ということで、駐在さんは単にドジッた気がします(^_^;)

ところで、お母さまの人となりにとても惹かれます。
息子さまに今回の話や生き物との暮らしや、よいものを遺された気がします。
多くのお年寄りは、残さないまま逝かれたように思います。兵隊から戻った人たちも、多くは無口でした。昭和一桁や大正生まれのお年寄りよ、ぜひ言葉で遺しましょう、です。
by ojioji (2015-03-05 09:49) 

mayu

水が苦手なんですよねー、多くのネコは。でも、蛇口から水を飲んでくれると、お風呂も平気になれるかな?
by mayu (2015-03-05 10:00) 

ニッキー

今はどこでも暗闇がなくなっちゃいましたよねぇ(*_*)
暗闇があればもしかしたらこういう話も信じられてたかも(^O^)
たなみちゃん、やっぱり直接飲み始めちゃったんですね^^;
うちの茶色とデカイ銀縞は、かみさんが洗面台に行くと一緒について行って蛇口から直接飲んでますw

by ニッキー (2015-03-05 15:14) 

raomelon

世の中にはまだまだ不思議なお話があるんですね^^
たなみちゃんの水の飲み方がワイルドで笑っちゃいました(*^^*)
by raomelon (2015-03-05 19:13) 

yes_hama

妖怪好きなので、しっかり読ませていただきました。^^;
それにしても、ヨーロッパって(ある意味)すごいなあ。。。
お手洗いがあり肥溜めがある日本って、古くからうまく自然(現象と)付き合っているなあ、と思います。
by yes_hama (2015-03-05 20:29) 

ゆきち

肥溜めにはまらないようにね!と祖母のところへ遊びに行くと言われたのを思い出しました^^
ウチのは濡れるの嫌いなクセに、蛇口から直接水を飲みます^^;
by ゆきち (2015-03-05 21:58) 

溺愛猫的女人

こんばんは

たなみちゃん、お水の飲み方がワイルドだわ~(^^)v
流れるお水が好きな猫さんは多いですね。

こちらに来たらタヌキを見ることなんてないだろうと思っていたら、早朝にタヌキの親子に会ったりハクビシンに会ったり、東京にも自然が残っているのねってびっくりしました。

by 溺愛猫的女人 (2015-03-05 22:07) 

JUNJUN

これはまた、面白く不思議な話ですね。
亡くなった奥さんに化けて、というのは、暖かいような人が悪いような・・・。
by JUNJUN (2015-03-05 22:39) 

mitsuya

藤並 海さん、nice!コメントありがとうございます。藤並さんもそう思います?
ですよね、なんか贅沢な望みなのかもしれないですけど、たまに無性に憧れてしまうんですよ(⌒▽⌒)
by mitsuya (2015-03-05 23:39) 

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